航空写真測量(測量調査)
航空写真測量における現地調査は、図化・編集作業の判断を支える極めて重要な工程です。
空中写真だけでは判別が難しい地物の用途、道路の種類、構造物の名称、土地利用の現況などを地上で直接確認し、写真判読の補足情報として収集します。
調査員は、測量法に基づく身分証明書を携帯し、公共性と安全性を確保しながら、街中や住宅地において慎重に作業を行います。周囲の住民や通行人への十分な配慮を行いながら、現地情報を記録図や調査票に正確に反映させていきます。

現地で取得した情報は、以下のような内容に活用されます。
- 建物や施設の名称・用途の注記(例:集会所、公園施設、宗教施設など)
- 道路の種別や通行の可否の識別(例:公道/私道、舗装/未舗装)
- 地形や境界の確認(法面・擁壁・段差の有無や位置)
- 樹木と構造物の判別、写真では不明瞭な地物の実態把握
これらの現地補足情報は、図化時の誤認識防止や属性の正確な付与、成果図の品質保持に不可欠です。特に公共測量や基盤地図情報など、厳格な成果要件が求められる業務においては、現地調査の精度が地図全体の信頼性を左右します。
